開講決定!
近年、歯周病原細菌 Porphyromonas gingivalis(P. gingivalis)は、歯周病を遷延化させる主要な病原菌としての役割に加え、全身疾患との関連においても新たな知見が報告されつつあります。従来の理解を超える病態メカニズムが示唆されており、その研究は歯周病学の重要なテーマとなっています。
一方、腸脳相関をはじめとする全身との複雑なネットワークについても理解が進み、口腔と全身をつなぐ新たな視点として注目されています。
こうした背景を踏まえ、本セミナーでは歯周病原細菌研究の最新知見をご紹介するとともに、バクテリアセラピーの視点から L. reuteri(L. ロイテリ菌)の全身疾患制御の可能性についても考察し、医科歯科連携による新たな展望を提示いたします。
ゲスト講師
昭和医科大学歯科保存学歯周病学部門 教授
演題:Porphyromonas gingivalis菌は歯周病は遷延化する
ある調査では国民の7割になんらかの歯周病の徴候が認められるといわれています。
歯周病原菌として注目されるのがPorphyromonas gingivalis菌(以下、Pg菌)です。細菌学的・免疫学的な検討からも、Pg菌が発症や組織破壊に深く関与することが示されています。
当初は強い毒性を念頭に性状の解析が進められ、それらの病原因子が直接発揮すると考えられましたが、研究の進展により、実際には細菌叢をディスバイオーシスに導き、さらに宿主の免疫応答を低下させ炎症を抑制する働きが明らかになりました。その結果、異物排除や治癒が妨げられ、組織恒常性が損なわれて慢性化しやすい特徴をもたらしています。歯周病を理解するうえで、Pg菌の特徴を再確認することは重要です。
歯周病は単一菌の感染症ではなく、口腔細菌叢のディスバイオーシスによる疾患と捉えるべきであり、その予防・治癒促進・再発防止の攻略には歯垢バイオフィルムの機械的除去の徹底と、質的変化を導く方策が求められます。ここにロイテリ菌の応用可能性があることを考察してみたいと思います。
ご略歴
・平成4年(1992)東京医科歯科大学歯学部卒業
・平成8年(1996)東京医科歯科大学大学院修了・博士(歯学)
・平成9年(1997)米国アーカンソー州立医科大学内分泌部門/骨粗鬆症センターリサーチフェロー
・平成12年(2000)鹿児島大学歯学部助手(歯科保存学講座(2))
・平成14年(2002)鹿児島大学生命科学資源開発研究センター助教授
・平成17年(2005)昭和大学歯学部教授 (歯周病学講座)
・令和7年(2025)昭和医科大学歯学部教授 (歯科保存学講座歯周病学部門)
※令和7年4月に校名変更
講師
淀江 晃太郎
バイオガイアジャパン最高科学責任者(CSO)
バイオガイアアカデミー校長
演題:歯周病原性細菌と全身疾患に対するL. ロイテリ菌のはたらき
講師
日本歯科大学名誉教授
バイオガイアアカデミー名誉校長
演題:医科歯科二元性からみた連携の必要性を探る
〒108-0074 東京都港区高輪3丁目23−17 品川センタービルディング
ご参加特典
お申し込みフォーム ※10月31日(金)締め切り